スピードスケートはどれくらい速い?まずは時速の目安を整理
スピードスケートは、氷の上をとても速く走る競技です。テレビで見ると一瞬で通り過ぎるので、実際の速さが気になります。
目安としてよく出てくる数字は、平均が時速50km前後、最高が時速60km前後です。さらに、条件がそろった場面では時速93km級の話も見かけます。
ただし、これらの数字はいつも同じではありません。距離、コースの状況、計測のしかたで変わります。まずは「だいたいこのくらい」とイメージできるように整理します。
| 速さの種類 | よく見かける目安 | どういう意味の数字? |
|---|---|---|
| 平均速度 | 時速50km前後 | 一定の距離を走り切ったときの平均の速さ |
| 最高速度 | 時速60km前後 | 走っている途中で出る一瞬のいちばん速いところ |
| 記録級の速さ | 時速93km級 | 条件がかさなった特別な場面での速さとして語られることがある |
このあと、それぞれの数字がどんな意味で、なぜ変わるのかを順番に見ていきます。
スピードスケートの速さは自転車と比べるとどのくらい?
身近な乗り物で考えると、時速50kmは自転車でもかなり速い部類です。普通の街中では危険なので出しにくい速さです。
スピードスケートは、氷の上でタイヤの抵抗がなく、姿勢を低くして空気の抵抗も減らします。そのため、人が脚で出せるスピードとしてはとても高い水準になります。
ただし、自転車は下り坂や追い風でさらに速くなることもあります。比べるときは、どんな条件で出た数字なのかも一緒に見るとわかりやすいです。
平均速度は時速50km/h前後:数字の出し方と変わる理由
平均速度とは、スタートからゴールまでに進んだ距離を、かかった時間で割って出す数字です。途中で速い区間と遅い区間があっても、最後にまとめて平均します。
スピードスケートで「平均が時速50km前後」と言われるのは、多くのレースでおおよそそのくらいの水準になるためです。特に短距離から中距離では、加速と維持のバランスがよく、速い平均が出やすいです。
一方で、平均速度は条件で変わります。距離が長いほどペース配分が必要になり、平均は少し下がりやすいです。リンクの氷の硬さや温度、滑りやすさでも差が出ます。
さらに、カーブが多いコースでは直線よりもスピードを出しにくいです。安全に曲がるために姿勢やラインが変わるからです。平均速度の数字を見るときは、距離やコースの特徴もセットで考えるのが大切です。
平均速度はどの距離を想定するとわかりやすい?
平均速度のイメージをつかむなら、短距離から中距離の代表的な種目を思い浮かべるとわかりやすいです。
たとえば500mのような短い距離は、スタート直後の加速の影響が大きいです。1500m前後は加速後の維持が長くなり、平均のイメージがつかみやすいと言われます。
ただし、距離によって体の使い方も作戦も変わります。同じ選手でも、得意な距離では平均が上がりやすく、苦手な距離では下がることがあります。
記事の中の平均速度は、あくまで目安として見て、細かい比較をしたいときは距離をそろえて考えると安心です。
最高速度は約60km/h前後:一瞬のピークになりやすい
最高速度は、走っている途中で一番速くなった瞬間の数字です。平均速度と違って、短い時間だけ出ることが多いです。
スピードスケートでは、スタート直後は加速中なので最高速度は出にくいです。加速が終わってスピードが乗ったあと、直線に入ったタイミングでピークが出やすくなります。
ただし、最高速度はずっと維持できるわけではありません。疲れがたまると脚の力が落ち、フォームも崩れやすくなります。カーブでは安全に曲がるためにスピードを少し落とす場面もあります。
そのため、最高速度は「最速の瞬間」であって、レース全体の速さを表す数字ではありません。平均と最高は役割が違うので、どちらを見ているのかを分けて考えると混乱しません。
最高速度はずっと同じで走れるの?
最高速度をずっと保つのは難しいです。理由は大きく二つあります。
一つ目は体力です。速いスピードで滑り続けるほど、脚や心肺に負担がかかります。
二つ目はコースの形です。スピードスケートはカーブがあり、直線だけを走り続けるわけではありません。カーブでは姿勢やラインが変わるので、最高速度が出たままになりにくいです。
つまり、最高速度は「一瞬の数字」として見るのが自然です。レース全体のイメージを知りたいときは、平均速度のほうが近いことが多いです。
最高時速93km/h級は特別:出る条件と数字の見方
時速93km級という数字は、とても強い印象があります。ですが、こうした数字はいつでも出るものではなく、特別な条件が重なった場面として語られることが多いです。
まず、どこで測った数字なのかが重要です。公式の計測か、練習中の計測か、動画からの推定かで意味が変わります。同じ時速でも、測り方が違うと誤差が出ることがあります。
また、風の影響や、隊列で走って空気抵抗が減る状況などでも速度は変わります。コースが下りになっている場所なら、平らなリンクよりも速くなりやすいです。
だからこそ、93km/hという数字を見るときは、場所、条件、計測方法をセットで確認するのが大切です。数字だけを切り取って、一般的なレースの最高速度だと思い込まないようにしましょう。
93km/hという数字は、どんな場面で出たもの?
93km/h級の話は、氷上の通常のレースと同じ条件とは限りません。特別なイベントや、測定の条件が違う場面で出ていることがあります。
たとえば、長い直線が取れる場所で、風の影響を受けにくい条件がそろうと速度は上がりやすいです。逆に、一般的なリンクではカーブがあるため、同じような数字が出るとは限りません。
このような数字は、スピードスケートの可能性を感じる材料にはなりますが、平均や最高の目安とは分けて考えると理解しやすいです。
なぜ速い?速さを左右する4つのポイント
スピードスケートが速いのは、脚の力だけではありません。速さを左右するポイントはいくつかあります。
ここでは、フォーム、氷の状態、道具、環境の四つに分けて、やさしく整理します。
まずフォームです。体を低くして前に倒すと、空気の抵抗が減ります。腕の振りを小さくして、脚で効率よく押すのも大切です。
次に氷の状態です。氷が硬くて滑りやすいとスピードが出やすいです。気温や湿度で氷の表面は変わり、同じリンクでも日によって差が出ます。
三つ目は道具です。スケート靴の刃の形や、靴のフィット感で滑りやすさが変わります。選手は細かい調整をして、自分の滑りに合わせます。
最後は環境です。空気の密度が低いと抵抗が減り、速くなりやすいと言われます。風の向きや強さも影響します。
これらが組み合わさって、平均や最高の数字が変わります。速さは一つの要因で決まらない点がポイントです。
屋内リンクと屋外リンクで速さは変わる?
変わることがあります。屋内リンクは風の影響を受けにくく、氷の状態も管理しやすいです。そのため、安定した滑りがしやすいと言われます。
屋外リンクは、気温や風の影響が大きくなります。滑りやすい日もあれば、コンディションが難しい日もあります。
ただし、屋内と屋外で単純にどちらが必ず速いと言い切るのは難しいです。氷の管理や気象条件、コースの特徴によって変わるためです。
時速の目安と、数字を見るときの注意点
スピードスケートの速さは、目安として平均が時速50km前後、最高が時速60km前後と言われます。さらに、時速93km級の話は特別な条件で出た数字として見かけることがあります。
ただし、速さの数字はいつも同じではありません。距離、氷、風、計測方法などで変わります。
最後に、数字を見るときの注意点をまとめます。
- 平均速度はレース全体のイメージに近い
- 最高速度は一瞬のピークになりやすい
- 速い数字ほど条件や測り方を確認したほうが安心
- 距離やコースが違うと単純比較しにくい
スピードスケートは、条件の中で速さを競うスポーツです。数字の意味を分けて見ると、観戦もより楽しくなります。
結局、スピードスケートは何km/hと言えばいい?
会話の中でざっくり言うなら、平均で時速50km前後、最高で時速60km前後が目安になります。
ただし、細かい話をすると距離や選手、コンディションで変わります。強い数字を見かけたときは、どんな条件で出たのかも一緒に見ると納得しやすいです。

