本記事では、タスクシュートを用いてGTD(Getting Things Done)をどのように活用するかをお話しします。
タスクシュートを使ったGTDの活用方法
GTDはアメリカ発の非常に人気のある効率的な仕事術で、その核心は「気になることをリストアップする」というシンプルなステップにあります。
多くの人がGTDの改訂版を読んで、「効率よく仕事をこなし、ストレスのない生活を実現したい」と考えています。
私自身、GTDの方法を完全には理解し実行するのは難しいと感じています。
時には内容が自分になじみにくいと感じることもあります。
また、本の各章を読み進める中で、話が中途半端に終わることがしばしばあります。
これは、一時期大きな注目を集めた勝間和代さんの著書にも似た印象を受けます。
私は勝間さんの隠れたファンで、もっと彼女の個性的で力強いビジネス書を読みたいといつも思っています。
粘り強く個性的な私は、GTDよりもタスクシュートの方が自分に合っていると感じます。
自宅にはGTDについての分厚い本がありますが、これをもっと活用したいと思っています。
そこで、GTDの中で「中途半端に終わっている」と感じた部分をタスクシュートを使って徹底的に掘り下げることにしました。
この新しいアプローチを通じて、興味深い洞察を得ることができるかもしれません。
その過程を皆さんと共有していきたいと思います。
必要な準備と手順の整理
まず、よく知られている「気になることをリストアップする」というステップから始めます。
このステップは、書籍のいくつかのセクションに分散しており、一部は「把握する」という見出しで記されています。
「把握する」というのは適切な表現ですが、GTDでは、気になる事項を完全に把握するためにはそれらを一か所にまとめる必要があるとされています。
タスクシュートのユーザーにとっては、ここで既に課題に直面します。
「集めると言っても、具体的にどこに?」という疑問が出てくるのです。
理想としては「すべてを一箇所に集める」ことですが、これは現実的には難しいです。
タスクシュートや「たすくま」のようなツールで関心事をすべて記入すると、管理が複雑になることがあります。
GTDの文献では、「把握するためのツール」として、以下のようなものが紹介されています。
- 書類入れ
- 手帳やノート
- 電子デバイスのメモ機能や音声記録器
- メールやテキストメッセージ
また、「インボックスの数を最小限に保つ」というアドバイスもありますが、具体的に「一元化」する方法については言及されていません。
一元化することは現実的ではないかもしれません。
たとえば、書類入れには手紙や小包が入り、音声記録器には長時間の録音が保存され、メールが届くということがあります。
これらをすべて一元化するのは無謀だと言えます。
しかし、一元化を目指す方向性は維持すべきです。
メールやテキストメッセージが増加する傾向にある中で、完全に管理するのは困難です。
新しいサービスが提供されるたびに、既存のツールに取って代わることを期待するのは現実的ではありません。
これらの課題を克服し、タスクを効果的に管理するためには、以下のステップが必要です:
- インボックスの数を限定する
- 各インボックスを巡り、処理すべきもの、保存すべきもの、廃棄すべきものを分類する(デイリールーチン)
- 廃棄すべきものを処分する(デイリールーチン)
- 処理すべきタスクを「今日のタスク」「明日のタスク」「後日のタスク」に分ける(デイリールーチン)
- 保存すべきものの保存方法を決め、保存する日時を設定する(デイリールーチン)
- 今日のタスクを実行する(デイリールーチン)
- 保存すべきものが今日保存する項目であれば、指定された方法で保存を行う(デイリールーチン)
インボックスを効率的に管理する方法
私が日常的に行っている作業は、多くの職場で行われているものであり、プロセスごとに「区別」「実行タイミングの決定」「実行」「後処理」を含むため、時間がかかると感じることがあります。
しかし、インボックスが適切に管理され、定期的なチェックができていれば(すなわち「回遊」が可能であれば)、状況は悪くありません。
「悪い状況」とは、インボックスの数が多いほど悪化する状態のことを指します。
「手帳やノート、デジタルのメモ帳・音声記録ツール」などに特に注意が必要です。
これらに付箋を加えると、このタイプのインボックスは無限に増える可能性があります。
最悪の場合、「気になること」は頭の中で勝手に気になり、メールの受信トレイの問い合わせと同じ事項をメモする「二重タスク」を引き起こしてしまいます。
私は「手帳やノート、デジタルのメモ帳・音声記録ツール」でメモを一元化するべきだと強く感じています。
最終的には、手書きのメモとデジタルメモのどちらかを選ぶ必要があるでしょう。
スマートフォンを手放すのは現実的ではないため、デジタルメモへの一本化をお勧めします。
デジタルメモが思考を制約すると感じるかもしれませんが、「自由で広がりのある発想には手書きが最適」というのはあくまで先入観かもしれません。
インボックスが「2つ」と「1つ」の場合では、大きな違いがあります。
そのため、デジタル一本化を試すことをお勧めします。
GTDをタスクシュートで実践する方法
この手法を採用すると、核となる部分が明確になり、維持しやすい形になります。
ここで、インボックスを順にゼロにしていくタスクシュートのルーチンについて説明します。
分かりやすい例として、以下の3つのインボックスを挙げます。
- メールの受信トレイ
- Evernoteのインボックス
- 郵便物のトレイ
Evernoteのインボックスや郵便物のトレイがない場合でも、代わりとなるものがあるはずですので、それを想像してみてください。
日々のインボックス管理:毎日クリアすることの重要性
GTD(Getting Things Done)の手法では「インボックスを定期的に空にする」という指示がありますが、私はさらに一歩進め、「毎日」インボックスを空にすることが必要だと考えています。
その理由は単純で、そうしないと状況が管理不可能になりがちだからです。
GTDで重要なのは「何をしているのかを特定する」というステップです。
このステップでは、メール、郵便、ふと思いついたアイデアやタスクを見極め、それぞれどのような対応をするべきかを決定します。
このプロセスは基本的ですが、多くの人が見落としがちな部分でもあります。
このようなタスクは、「大事だ」と自分に言い聞かせるだけでは上手くいかないことが多いです。
結果として、メールが受信トレイにたまり、何であるかを判断する前に、その存在自体を無視してしまうことになります。
ここで役立つのが「毎日インボックスをゼロにする」という習慣です。
さらにこのタスクを効果的にするために、時間制限を設けることをお勧めします。
15分以内に処理できないものは、思い切ってゴミ箱に移動させると良いでしょう。
この方法であれば、どんなに満たされた受信トレイも15分で空にすることができます。
本当に時間がないときは、「メールを全選択して削除」するだけで、たとえ1万通のメールがあったとしても、数秒でスッキリ消去できます。
これはストレスが少なく、非常に爽快です。
しかし、どれだけ気持ちの良いことでも、これだけでは現実の問題がすべて解決されるわけではありません。
なぜこのような状況になるのか、次のステップで考えていく必要があります。
メールの評価と処理の重要性
メールをただ単にゴミ箱に移動させるだけでは問題が解決されないことが多く、その理由はメールに含まれる情報が具体的な行動を求める場合があるからです。
これが「評価する」というプロセスの核心です。
メールが自動で選択され、削除されたとしても、それが適切な処理だったかを評価する必要があります。
これは日々の業務で非常に重要な作業の一部です。
たとえば、過去に契約したかもしれないウイルス対策サービスからの通知メールが受信トレイに残っている場合、そのまま放置すると無駄な支払いが発生する可能性があります。
しかし、すでに解約した記憶があるために、メールを開いて確認することが面倒に感じられることでしょう。
このため、重要なメールを見逃すことがあります。
このようなメールは、サービス提供者との契約状況を調べて適切に処理する必要があり、そのためには5分から20分程度の時間が必要になるかもしれません。
このタイプのメールが複数ある場合、それぞれを個別のタスクとして処理することで、全体で2時間近くかかることがあります。
このように時間がかかるため、多くの人がこれらの処理を避けたくなるのです。
しかし、だからこそこれらを毎日処理することが重要になります。
タスクシュートでの実践方法
「評価する」というプロセスは、受信トレイを日々空にすることで自然と行われるようになります。
タスクシュートを効果的に管理するためには、以下のようなリストを作成すると良いでしょう。
- メールの受信トレイを空にする【10〜11時の間に行う】【毎日実行】【20分】
- 郵便物のトレイを空にする【13時〜14時の間に行う】【毎日実行】【5分】
- Evernoteのインボックスを空にする【14時〜16時の間に行う】【毎日実行】【10分】
各受信トレイを空にした後に発生するタスクを実行するための時間も別途確保する必要があります。
これだけで半日が消費されるかもしれませんが、受信トレイを一度空にすることで、各タスクに必要な時間が短縮され、受信自体を減らす意識が高まります。
このように受信トレイを定期的に空にする習慣をつけることで、「何を評価するか」というプロセスを機械的に実行できるようになり、結果として仕事の効率が向上します。