この記事の前提と選曲の考え方
忘年会のカラオケ(二次会)では、参加者の年齢や関係性が混ざります。ここでのゴールは、上の世代にも若手にも伝わりやすい曲で場を温め、気持ちよく歌い納めてもらうことです。難しい高音曲で勝負するより、みんなが口ずさめるサビ、わかりやすいリズム、合いの手が入れやすい曲が安心です。
選曲の基本は次の3点です。
- みんなが知っている確率が高いこと(サビで参加しやすい)
- リズムが取りやすいこと(手拍子しやすいテンポ)
- 歌う人のキーと体力に合うこと(無理をしない)
また、一次会は落ち着いた曲でも成立しますが、二次会はテンポ感がある曲が有利です。盛り上げ目的なら、1曲目は中速で様子見、2曲目で一段上げ、3曲目でピークを作る流れが安定します。バラードは締めや休憩に回すと空気が整いやすくなります。
一次会と二次会で曲選びは変えるべき?
結論:変えたほうが安全です。一次会は背景BGM的に穏やかな曲でも大丈夫ですが、二次会は体を動かせるテンポの曲を中心に。迷ったら、最初は中速の有名曲、次にアップテンポ、三曲目でみんなが歌えるフレーズが多い曲という並べ方が失敗しにくいです。
年代×ジャンルの早見表(一次会/二次会の向き不向き)
年代やジャンルごとの“歌いやすさ”と“合唱しやすさ”をざっくり整理しました。代表例は、会の雰囲気に合わせて置き換え可能です。
| 年代 | ジャンル | 歌いやすさ | 合唱しやすさ | 一次会向き | 二次会向き | 代表例(サビが強い曲) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1970〜80s | ロック/歌謡ロック | ふつう | 高い | ○ | ◎ | 勇気づけ系のコール曲、定番ロック |
| 1980〜90s | ポップス | 高い | 高い | ◎ | ◎ | 大合唱になりやすい国民的ヒット |
| 1990〜2000s | バンド/ミクスチャー | ふつう | 中 | △ | ◎ | 盛り上げやすいアップテンポ |
| 2000〜2010s | アイドル/ダンス | ふつう | 高い | ○ | ◎ | サビで振りが簡単な曲 |
| 2010s〜 | J-POP王道 | 高い | 中 | ○ | ○ | 若手も知っている配信ヒット |
使い方のコツ:一次会は“歌いやすさ”重視、二次会は“合唱しやすさ”を最優先にすると空気が作りやすいです。
迷ったらどの軸を優先すれば安全?
結論:合唱しやすさ>歌いやすさ>新しさ。サビをみんなが口ずさめる曲なら多少キーが外れても成立します。新しさは優先度を下げ、まずは“誰でも知っているフレーズ”を取りに行くのが安全です。
名前が同じだと盛り上がる曲ネタ
忘年会では“名前いじり”が鉄板です。同じ名前が歌詞やタイトルに入る曲を探し、サビでその人の名前に差し替えるだけで会場の一体感が生まれます。もしピンポイントの曲が見つからなくても、名前コールを挟むだけで盛り上がります。
アイデアの出し方:
- タイトルや歌詞に人名が入る曲を探す(例:呼びかけ系の曲)
- サビのキメで“○○さん!”とコール(替え歌は1〜2回に留める)
- イントロで「みなさん、○○さんの応援よろしく!」と宣言
運用のポイント:
- 名前の読みが難しい場合は事前に確認しておく
- いじりすぎず、1回笑いが取れたら潔くサビに集中
- 本人が恥ずかしがるタイプなら周囲コールだけにする
同じ名前の曲が見つからない時の代替案は?
結論:コールで代替すれば十分です。サビの“Yeah!”や“Hey!”に合わせて“○○!”と差し込む、曲前に「○○さんに届け!」と言ってから歌う、間奏で名前を入れて紹介するなど、歌詞を変えなくても盛り上げられます。
あえてマイナー曲で上の世代に刺さった事例
いつもと違う選曲で“通っぽさ”を出すなら、上の世代が若い頃に流行った隠れ名曲が効きます。ただし、空気が温まってからにしましょう。序盤で挑戦すると静まりやすいです。
選び方のヒント:
- 1980〜90年代のアルバム曲やカップリングで、サビが覚えやすいもの
- テンポは中速以上、言葉数が多すぎない曲
- 途中で手拍子が入れやすい構成
投入のタイミング:
- 定番で一度“勝ち”を作ってから3〜4曲目に差し込む
- 反応が薄ければ、間奏で「サビは一緒に!」と合図して戻す
撤退ライン:
- 1番が終わっても反応がない場合は、2番を短めにして大サビへ
- 次の順番で“みんなの知ってる曲”に切り替え、流れを保つ
場が静まった時に立て直す方法は?
結論:テンポを上げて“知ってるサビ”に戻す。リモコンでキーを1段下げて歌いやすくし、手拍子を自分から入れましょう。次の人には有名曲をお願いして、会のテンポを回復させます。
名曲のカバーで世代ギャップを埋める
カバー曲は世代をつなぐ便利な選択肢です。原曲世代は懐かしさで反応し、若い世代は最近のアレンジでノリやすい利点があります。歌う側も、原曲キーが高い場合にカバー版のキーへ合わせることで無理なく歌えます。
選び方のコツ:
- 原曲の“サビの言い切り”が強いもの
- カバー版でテンポが少し速くなっているもの
- デュエットやハモりが入れやすいもの
使い方:
- 1コーラス目は原曲イメージで丁寧に、2コーラス目で会場にコールをお願い
- 大サビ前に「ご一緒に!」とひと言入れて合唱モードへ
原曲キーが高い時の無理しない歌い方は?
結論:キーを早めに下げる。迷ったら-2が目安です。地声に固執せず、サビだけ裏声に切り替える、語尾を短く切る、息を先に吸ってからサビへ入る、といった工夫で安定します。
昭和のノリはやっぱり強い(合いの手・手拍子・コール)
合いの手やコールが入る曲は、世代を問わず盛り上がります。昭和テイストの分かりやすいリズムは、二次会で特に効果的です。歌い手が“合図役”になって、会場に参加してもらう前提で選びましょう。
実践テク:
- イントロで「合いの手お願いします!」と宣言してハードルを下げる
- サビ前に手拍子を2小節入れて合図する
- 間奏はマイクを客席へ向け、簡単なフレーズを繰り返してもらう
注意点:
- からかいにならない表現を選ぶ
- 長すぎる前フリは避け、テンポを切らさない
- 苦手そうな人がいたら、手拍子だけの参加を促す
昭和ネタが苦手な同僚がいる時の配慮は?
結論:混ぜ方を選べばOKです。曲紹介で「手拍子だけでも大歓迎」と伝え、強制しない雰囲気を作りましょう。次の順番には、近年のヒット曲や配信で流行った曲を挟み、バランスを取ると安心です。
AKBなどアイドル曲なら間口が広い
アイドル曲はサビが簡単で覚えやすく、合唱に向いています。歌が得意でない人も、振り付けの一部を一緒にやるだけで場が温まります。無理な再現より、「サビの手だけ」など部分参加を前提にしましょう。
選曲のヒント:
- サビが繰り返しで覚えやすい
- キメの掛け声が簡単
- 男女どちらが歌っても違和感が少ない
進め方:
- 1回目のサビは歌い手だけ、2回目で「せーの!」と手拍子参加
- Bメロは短めにして、サビを多めに回す
- できる人だけ簡単なフリをやる(全員強制はしない)
振り付けはやったほうがいい?
結論:できる範囲でOK。完コピは不要です。サビの“手だけ”や“クラップだけ”で十分。スペースが限られる会場では、座ったまま手だけ動かす形が安全です。
知らない人がほぼいない定番
迷った時の保険枠です。ここでは、世代をまたいで知られている可能性が高いタイプを挙げます。会の空気や参加者の年代に合わせて置き換えてください。
特徴:
- サビが一発で分かる
- メロが低めで歌いやすい
- 2人以上で歌っても成立する
使い方:
- 序盤で“知ってる感”を作るために1曲
- 中盤でテンポを上げるために1曲
- 終盤の合唱で1曲
並べ方の例:
- 中速でウォームアップできる有名曲
- みんなが知っているアップテンポ
- 合唱で締めやすい王道曲
定番でも外しにくい順番はある?
結論:中速→速め→合唱の順が安定。1曲目で耳慣れ、2曲目で体を動かし、3曲目で大サビ合唱に持っていくと、二次会らしい一体感が作りやすいです。
昭和のノリの良い定番で一気に畳みかける
会のテンションが上がってきたら、手拍子が入りやすい昭和テイストの定番で一気に盛り上げます。速すぎる曲より、誰でも乗れる中速〜やや速めが安全です。コールや合いの手をあらかじめ決めておくと、さらに一体感が出ます。
畳みかけのコツ:
- 2曲連続でテンポを落とさない
- サビの前に「手拍子準備!」と短く合図
- 大サビで必ず「もう一回!」を入れる
締めへの橋渡し:
- 合唱で盛り上げた後、最後は全員が知っているサビで着地
- バラードで締める場合は短めにし、挨拶の余地を残す
締め曲はバラードとアップ、どちらが無難?
結論:会場のテンションで選びます。時間が押している、声が枯れているならバラード短め。まだ元気なら中速の“みんなで歌える曲”で明るく締めると、帰り際の雰囲気が良くなります。
当日の運用テクとNG例まとめ
最後に、当日の進め方のコツと避けたいポイントをまとめます。
運用テク:
- キー調整は遠慮せず早めに行う(歌い始める前に-1/-2を試す)
- 2人以上で歌える曲を選び、サビは並列で歌う
- 曲間トークは短めにして、次の人の準備時間を作る
- マイクは2本あるなら交互に回し、待ち時間を減らす
- ドリンクや食事のタイミングに合わせて、テンポを少し落とす
NG例:
- 長い前置きで空気を冷やす
- 個人いじりが過ぎて場が気まずくなる
- 高音だけで見せる無理な選曲
声が出にくい時の応急ワザは?
結論:歌う前に小さな準備を。水を一口飲む、肩を回して息を入れる、ハミングで音程を確かめる。サビ前に息を吸い、語尾を短めに切るだけで、声は安定します。

