100メートルってどのくらい？まずは全体のイメージをつかもう
100メートルと言われても、なんとなく長そうだなとは思うけれど、はっきりとしたイメージがわかない人は多いと思います。短距離走の距離と言われても、運動会以外ではあまり意識することがない数字ですよね。
まずは、100メートルという長さが、日常のどんな場面に出てくるのかをざっくり見てみましょう。たとえば、学校の運動会で行われる100メートル走、道路標識に書かれている「この先100m」などが代表的な場面です。どちらも、少し先の地点を指している距離ですが、「すぐそこ」というほど近くはありません。
家の近くの道をイメージしてみると、「自分の家の前から、角の少し先の電柱まで」や「近くのコンビニの入り口から、駐車場の奥のほう」くらいの長さが、だいたい100メートルということが多いです。もちろん場所によってちがいますが、「見えてはいるけれど、歩くと少し時間がかかる」くらいの距離だと考えるとイメージしやすいでしょう。
また、20メートルや50メートルと比べると、100メートルはぐっと「遠い」と感じる長さです。20メートルなら、学校の教室から廊下の端くらいのイメージで、あまり遠くはありません。50メートルになると、プール1本分くらいで、そこそこ距離を感じます。100メートルは、そのさらに倍ですから、歩いてみると「思ったより長いな」と感じる人も多いはずです。
このように、100メートルは日常の中でたびたび登場する数字ですが、普段は意識していないため、具体的なイメージを持ちにくい距離と言えます。ここから先では、学校、街中、高さ、歩く時間など、いくつかの視点から100メートルを見ていきましょう。
100メートルを一言で言うとどんな距離？
100メートルを一言で言うと、「目で見て場所はわかるけれど、歩くと少し時間がかかる距離」です。走ればあっという間ですが、歩くと「ちゃんと歩いたな」と感じるくらいの長さだと考えるとイメージしやすくなります。
学校やスポーツの場面でイメージする100メートル
100メートルという長さに一番なじみがあるのは、学校や運動の場面かもしれません。ここでは、場所の長さとしての100メートルを見ていきます。
代表的なのは、陸上競技の100メートル走です。テレビのスポーツ中継などで見る直線のコースは、スタートからゴールまでが100メートルになっています。実際にその場に立ってみると、まっすぐ先にゴールのテープが見えますが、歩いてみると「けっこう先だな」と感じる人が多い長さです。
小学校や中学校の校庭も、100メートルをイメージしやすい場所です。学校によって広さはちがいますが、校庭の長い方の一辺が、だいたい100メートル前後になっていることがあります。運動会で行うかけっこやリレーのコースを、校庭の端から端まで使っている学校も多いでしょう。
プールで100メートルをイメージすることもできます。25メートルプールなら、4本泳ぐと100メートルです。50メートルプールなら、2本泳ぐと100メートルになります。水泳の授業やスイミングスクールで、何本か続けて泳いだときのきつさを思い出すと、100メートルがどれくらいの距離か、体で感じられるかもしれません。
体育館やバスケットコートの長さも、100メートルを考えるヒントになります。バスケットボールのコートは、長い方の辺がおよそ28メートルとされています。つまり、コートを前後に3往復半ほどすると、だいたい100メートル分を走ったことになります。体育館の端から端までを何回か行き来すると、100メートルに近い距離になるとイメージするとわかりやすいでしょう。
学校やスポーツの場面では、100メートルは「運動をするときの基準になる長さ」です。走る、泳ぐ、ボールを運ぶなど、さまざまな活動の中で、100メートルという数字が目安として使われています。
たとえば、次のようにまとめることができます。
- 陸上の100メートル走コース
- 校庭の長い一辺（学校によっては100メートル前後）
- 25メートルプールを4本
- 50メートルプールを2本
- バスケットコートを数往復
これらを思い浮かべながら、100メートルの長さをイメージしてみてください。
100メートル走はどのくらいの時間で走れるの？
100メートル走を走る時間は、人の年齢や体力によって大きく変わります。小学生なら、だいたい20秒前後から30秒くらいかかる人が多いと言われています。中学生や高校生になると、もっと速く走れる人も増えてきます。
大人でも、運動になれていない人なら20秒前後、ある程度走りなれている人なら十数秒くらいで走ることが多いでしょう。世界大会に出るような選手は、10秒を切るようなすごいタイムで走りますが、これは特別な例です。
ふつうの人が100メートルを全力に近い速さで走ると、「スタートしてすぐに息が上がり、ゴールしたときにはかなり疲れる距離」と感じることが多いはずです。時間で見ても、距離で見ても、100メートルは「短距離だけれど、しっかり走る必要がある長さ」と言えるでしょう。
街中や生活の中で感じる100メートル
学校以外でも、100メートルは日常生活のいろいろな場面にひそんでいます。ここでは、通勤や通学、買い物などの場面から、100メートルをイメージしてみましょう。
たとえば、家の近くのコンビニを思い浮かべてみてください。コンビニの入口から、駐車場の一番奥のほうまで歩くと、数十メートルになることが多いです。そこからさらに別の店までの距離を足すと、だいたい100メートルくらいになる場所もあります。街の作りによって差はありますが、「店から店までの間」の距離として100メートルが使われていることがよくあります。
バス停とバス停の間も、100メートルをイメージしやすいポイントです。すべての区間が同じ距離というわけではありませんが、住宅街の中では、バス停同士が数百メートルおきに並んでいることが多いです。その中で、信号や道の形によっては、「この区間はだいたい100メートルくらい」と感じるところもあります。
電柱の間隔も、距離の目安になります。場所によりますが、電柱1本分の間隔は、十数メートルから数十メートル程度であることが多いです。電柱が並んでいる道で、「何本分進んだかな」と数えながら歩くと、100メートル前後の距離をイメージしやすくなります。
歩道に敷かれているブロックの枚数で考える方法もあります。1枚あたりの長さは場所によってちがいますが、「だいたいこれくらいかな」という目安をつかんでおくと、何枚分歩いたかで距離を見積もることができます。公園の端から端まで、住宅街の一ブロックを歩いてみると、「ここまで来ると100メートルくらいかな」と感じるポイントがだんだん分かってきます。
ただし、これらはあくまで「だいたいこのくらい」というイメージをつかむための例えです。実際の距離は、場所ごとにかなり違うこともあります。「コンビニ同士が近い地域もあれば、はなれている地域もある」といった具合です。日常の中で、「ここからあそこまでで、100メートルくらいかもしれない」と考えながら歩くと、距離感に少しずつなれていくでしょう。
家から100メートル先ってどのくらい歩けば着く？
家から100メートル先まで歩く時間は、歩く速さによって変わりますが、ふつうの速さなら、おおよそ1分かからないくらいです。ゆっくり歩く人でも、1分前後あれば着く距離だと考えてよいでしょう。
もちろん、坂道が多い場所や、人混みの多い道では、もう少し時間がかかることもあります。逆に、足の速い人が急ぎ足で歩けば、30秒前後で着いてしまうこともあるでしょう。距離としては短いほうですが、「ちょっとだけ歩く必要がある距離」と覚えておくとイメージしやすくなります。
建物の高さに置きかえた100メートル
ここまで、横方向の長さとして100メートルを見てきました。次は、建物の高さに置きかえて、縦の方向から100メートルを考えてみましょう。
一般的なマンションでは、1階ぶんの高さが2.5メートルから3メートル前後と言われることが多いです。単純に考えると、3メートルの階が約30階分で、合計が90メートルになります。つまり、30階建て前後の高いマンションは、おおまかに言うと高さ100メートルに近い建物と言えるでしょう。
高層ビルやタワーなどの建物も、100メートルをイメージする参考になります。都市部には、100メートル前後の高さを持つビルがいくつもあります。下から見上げると、かなり高く感じる建物です。展望フロアがある施設では、「地上◯メートル」という表示があり、その数字を目にしたことがある人もいるかもしれません。
観覧車や橋の柱の高さを思い浮かべるのも、100メートルをイメージする助けになります。大きな観覧車の直径や、長い橋を支える柱の高さは、数十メートルから100メートル前後になるものもあります。下から見上げると、頂上まではかなりの距離があるように感じられます。
ただし、ここで紹介した数字は、あくまで「イメージしやすいように置きかえた例」です。実際の建物の高さは、それぞれ詳しい設計によって決まっており、すべてがきっちり100メートルというわけではありません。「およそこのくらい」という感覚でとらえることが大切です。
100メートルの高さから地上を見下ろすことを想像すると、足元がすくむ人も多いと思います。それだけ、高さとしての100メートルは、日常生活ではあまり体験しないレベルだと言えるでしょう。横の長さとしての100メートルは身近でも、高さとしての100メートルは、特別な場所で感じる数字なのです。
100メートルの高さはどのくらい高く感じる？
100メートルの高さは、「高いビルの上から下をのぞきこむと、地面がずいぶん遠くに見える」くらいの高さです。下を見たときに、人や車が小さく見えるような距離と言えるでしょう。
人によって感じ方はちがいますが、多くの人にとって、100メートルの高さは、かなり高く感じるレベルです。普段の生活の中でそこまで高い場所に立つことは少ないので、「特別な高さ」として記憶に残りやすいかもしれません。
歩く・走る・ゆっくり走るときの100メートル
次に、時間の面から100メートルを見てみましょう。歩いたり走ったりするとき、100メートルはどのくらいの時間がかかる距離なのでしょうか。
まず、歩く場合を考えてみます。ゆっくり歩く人なら、100メートルを進むのにおよそ1分くらいかかることが多いです。ふつうの速さで歩く人なら、40秒前後から50秒ほどで進めるでしょう。早歩きが得意な人なら、30秒台で歩ききることもあります。
次に、軽く走る場合を考えます。ジョギングのような速さで100メートルを進むと、おおよそ30秒前後から40秒くらいになることが多いです。さらに速く、全力に近いスピードで走ると、十数秒でゴールする人もいます。ただし、全力に近い走り方は体への負担も大きいので、無理のない範囲で考えることが大切です。
通学や通勤の場面では、「信号が変わりそうだから、少し急いで歩いてみる」といった経験があるかもしれません。信号が変わる前に渡りきりたいときに、あと100メートルくらいの横断歩道を早歩きする場面を思い浮かべると、時間と距離の関係をイメージしやすくなります。
車などの乗り物で100メートルを進むときは、歩くよりもずっと短い時間で到達します。道路の状況やルールを守りながら運転していると、100メートルはあっという間に通りすぎる距離に感じられるでしょう。歩いていると長く感じる100メートルも、乗り物に乗ると「すぐ先の距離」に変わります。
このように、同じ100メートルでも、移動のしかたによって感じ方は大きく変わります。歩くと「少し歩いた」と感じる距離が、走ると「短いダッシュ」、車に乗ると「一瞬で通りすぎる距離」になるのです。
100メートルを歩くと何分・何秒くらいかかるの？
100メートルを歩く時間は、ふつうの速さで歩いた場合、だいたい40秒前後から1分ほどが目安です。人それぞれ歩幅や体力がちがうので、あくまで「このくらいの人が多い」という目安としてとらえてください。
小さな子どもや、高齢の方がゆっくり歩く場合は、1分以上かかることもあります。逆に、元気に早歩きする人なら、30秒台で歩ききってしまうこともあるでしょう。そのため、「100メートルは必ず何秒で歩ける」と言い切ることはできませんが、「1分もかからないくらいの距離」と覚えておくと、日常生活でイメージしやすくなります。
100メートルをざっくり測る・見積もるときのコツ
実際に外を歩いているとき、「ここからあそこまでで100メートルくらいかな」と思うことがあるかもしれません。ここでは、100メートルを大まかに見積もるための、いくつかのコツを紹介します。
一つめの方法は、自分の1歩の長さを目安にすることです。たとえば、自分のふつうの歩幅がだいたい70センチメートルだと分かっていれば、100メートルはおよそ140歩前後になります。正確に数えるのはむずかしいですが、「100歩ちょっと歩くと100メートルくらい」と覚えておくと、外を歩きながら距離をおおまかに見積もることができます。
二つめの方法は、「10メートルから20メートルくらいのものさし」を身近な場所で見つけておくことです。たとえば、よく行く公園の端から端までや、学校の校庭の一辺、よく通る通学路の電柱と電柱のあいだなどです。これらの長さを一度おおよそで確認しておくと、「さっきの長さを5回分くらい進んだら、100メートルくらいかな」と考えやすくなります。
三つめの方法は、スマホの地図アプリを使うことです。地図上で2つの地点をタップして、だいたいの距離を表示してくれる機能を持つアプリもあります。散歩のコースや通学路を地図上で見て、「ここからこの角までが100メートルくらい」と把握しておくと、実際に歩くときの目安になります。
ただし、これらはあくまで日常生活で大まかな距離を知りたいときの方法です。建物の位置を正確に決める工事や、専門的な測量が必要な場面では、専用の道具や専門家の測定が必要になります。自分の歩幅や目測だけで、細かい数字を決めてしまわないように気をつけましょう。
多くの場面では、「だいたい100メートルくらいかな」と分かれば十分なことがほとんどです。完璧な数字を出そうとしすぎず、目安として距離感をつかむことを意識するとよいでしょう。
歩幅で100メートルを測っても大丈夫？
歩幅で100メートルを測る方法は、日常の中で距離をざっくり知りたいときには、とても便利です。自分の歩幅をなんとなく覚えておき、歩数を数えることで、「だいたいこのくらいかな」と距離の感覚をつかむことができます。
しかし、歩幅はその日の体調や歩く速さによって少しずつ変わるため、いつも同じ長さになるとは限りません。人によっても足の長さが違うので、同じ歩数でも進む距離が変わってきます。そのため、正確な数字が必要な場面では、歩幅だけに頼るのは向いていません。
あくまで、散歩のときに距離を知りたい、子どもと一緒に遊び感覚で距離を考えたい、といった場面で使う「目安の方法」として利用するのがよいでしょう。
子どもや友だちに100メートルを分かりやすく伝えるコツ
最後に、子どもや友だちに100メートルを説明するときのコツをまとめます。数字だけを伝えても、相手がイメージしにくいときは、身近な場所や物にたとえて話すと分かりやすくなります。
子どもに説明するときは、学校や公園、遊び場など、子どもがよく知っている場所を基準にしてみましょう。「学校の校庭の端から端までくらいだよ」「プールを4本泳いだくらいの長さだよ」といった伝え方は、子どもが自分の体験と結びつけやすい説明です。
大人に伝えるときは、通勤ルートやよく行くお店、よく通る道路などを例にするとイメージしやすくなります。「駅の改札から、あの交差点までがだいたい100メートルくらい」というように、相手も知っている場所を使うと、数字がぐっと身近になります。
また、1つの例えだけでなく、2つや3つの例えを組み合わせると、イメージがよりはっきりします。たとえば「100メートルは、校庭の端から端までくらいで、歩くと1分かからない距離だよ」といったように、場所と時間の両方から説明すると、相手の頭の中に具体的な映像が浮かびやすくなります。
この記事で紹介してきた例を、ざっくりまとめると次のようになります。
- 学校の校庭の長い一辺くらい
- 25メートルプールを4本分
- コンビニから少し先の目印まで
- バス停とバス停のあいだの一部の区間
- 30階建て前後のマンションの高さに近い
- ふつうに歩いて1分かからないくらいの距離
どの説明が一番わかりやすいかは、相手がどんな場所や体験になじみがあるかによって変わります。たとえば、プールによく行く人には水泳の例えが、車通勤が多い人には道路の目印の例えが、子どもには校庭や公園の例えが向いているでしょう。
高さや長さの数字を説明するときは、こわさや危険を強く言いすぎないことも大切です。特別に高い場所について話すときでも、「かなり高いところだよ」と落ち着いて伝え、必要以上に不安をあおらないように心がけましょう。
もっと短い20メートルの長さについても知りたい人は、20メートルってどのくらいかをくわしく知りたい人はこちらも参考になります。
このように、100メートルは日常のいろいろな場面に登場する距離です。身近な場所や動きに置きかえて説明すれば、子どもにも大人にも、やさしくイメージを伝えられるようになります。
100メートルを一番わかりやすく伝えるにはどう説明すればいい？
100メートルを一番わかりやすく伝える方法は、相手がよく知っている場所や物をえらんで、「ここからあそこまでくらいだよ」とたとえることです。校庭、プール、駅からお店までの道など、相手の生活に近い例を使うと、数字が自然と頭に入りやすくなります。
「100メートルは、ふつうに歩いて1分かからないくらいの距離だよ」と、時間の目安もそえてあげると、さらにイメージしやすくなるでしょう。
