エレベーターの待ち時間が長く感じるときに知っておきたいこと
エレベーターを待っているとき、「さっきからぜんぜん来ない」「これって遅すぎない？」と感じたことはないでしょうか。時計を見ると、実際には数十秒しかたっていないのに、とても長く感じてしまうこともあります。
このようなモヤモヤを少しでも軽くするには、「どのくらいならよくある待ち時間なのか」「何が時間を長くしているのか」を、ざっくりでも知っておくことが役に立ちます。目安を知っているだけで、「今日はちょっと混んでいるな」「これくらいならふつうかもしれない」と落ち着いて考えやすくなります。
この記事では、エレベーターの時間を
- ドアの前で待っている時間
- 中に乗っている時間
の二つに分けて考えます。この二つを分けてイメージできるようになると、自分がどこでイライラしやすいのかも分かりやすくなります。
また、何秒くらいから「遅い」と感じやすいのかも、人によって少しずつ違います。この記事では、あくまで「一般的にはこのくらいに感じる人が多い」というレベルの目安として紹介します。正確な秒数を決めつけるのではなく、ふんわりとした感覚をつかむための材料として使ってください。
最後まで読むことで、「エレベーターが遅い」というストレスを少しだけ軽くし、自分の生活に合った階数や建物の選び方を考えやすくなるはずです。
エレベーターの待ち時間は何秒くらいなら普通と考えればよいですか？
エレベーターの種類や建物の混み具合によって大きく変わりますが、感覚としては、空いている時間帯ならドアの前で待つ時間がおおよそ10〜30秒くらいであれば、よくある範囲と考える人が多いです。ラッシュ時には、1分近く待つことも珍しくありません。
ただし、「何秒までが普通」と決めすぎると、かえってイライラしやすくなることもあります。あくまで目安としてとらえ、建物ごとの違いもあると考えておくと気持ちがラクになります。
エレベーターの時間は何で決まる？しくみをやさしく整理
エレベーターの時間は、「速いか遅いか」だけで語られることがよくありますが、実際にはいくつかの要素が重なって決まっています。ここでは、むずかしい専門用語をできるだけ使わずに、時間に関わる主なポイントを整理します。
まず、エレベーターの動きは、大きく分けると次のような流れになっています。
- ドアが閉まる
- ゆっくり動き出して加速する
- 一定の速さで上下に動き続ける
- 止まる前に少しずつ減速する
- ぴったり止まってからドアが開く
乗っている人から見ると、「すっと動き始めて、すっと止まっている」ように感じますが、実際には安全のために、急に動き出したり急に止まったりしないように制御されています。この「ゆっくり動き出す時間」と「ゆっくり止まる時間」も、トータルの時間の一部です。
次に、意外と大きいのがドアの開け閉めの時間です。ドアが開いてから閉まるまでの間には、乗り降りの時間も含まれます。人が多いときは乗り降りに時間がかかり、そのぶんドアが開いている時間も長くなります。
さらに、途中の階で止まる回数も、時間を決める大きな要素です。途中で止まるたびに、先ほどの
- 減速する
- 止まる
- ドアを開ける
- 人が乗り降りする
- ドアを閉める
- また動き出す
という流れが繰り返されます。これが数階ぶん重なると、乗っている人の感覚としても時間が長くなります。
最後に、エレベーター自体の性能や建物の設計も関係します。速めに動くように作られているエレベーターもあれば、安全性や乗り心地を重視して、あえてゆっくりめに動くタイプもあります。どの建物でも同じ速度、同じ時間というわけではないことを知っておくと、「このエレベーターは遅いのかな？」と感じたときにも、少し落ち着いて考えやすくなります。
速いエレベーターと遅いエレベーターは何がちがうのですか？
エレベーターごとに決められている最高速度や、加速・減速のしかたが違うため、同じ階数でもかかる時間が変わります。また、ドアが開いている時間の設定や、途中階でどのくらい止まりやすいかも影響します。高層ビル向けのエレベーターは、速く動くかわりに、乗りごこちや安全を保つための制御もていねいに行われています。
1階あたり何秒くらい？階数ごとの「乗っている時間」の目安表
ここからは、実際に「何階まで行くと何秒くらいかかりそうか」をイメージしていきます。もちろん、建物やエレベーターの種類によって違いはありますが、ざっくりした感覚をつかむだけでも、待ち時間や乗っている時間に対するストレスが変わってきます。
まず、1階ぶんを移動するときの「乗っている時間」を考えてみましょう。エレベーターの速度や階の高さにもよりますが、一般的な建物では、1階あたりおおよそ1〜2秒くらいと考える人が多いです。これは、途中で止まらずに上がった場合のおおまかなイメージです。
たとえば、1階あたり1.5秒くらいと考えると、単純計算では
- 5階までで約7〜8秒
- 10階までで約15秒
- 20階までで約30秒
という感覚になります。もちろん、実際には発進や停止の時間も含まれるので、体感としてはもう少し長く感じることが多いです。
次に、階数と乗っている時間のざっくりした目安を、表の形でまとめてみます。ここでは、途中の階で止まらない場合と、いくつかの階で止まった場合の二つに分けて考えます。
| 行き先の階数 | 途中で止まらない場合の目安 | 何回か止まった場合の目安 |
|---|---|---|
| 5階 | 約10〜15秒 | 約20〜30秒 |
| 10階 | 約15〜25秒 | 約30〜45秒 |
| 15階 | 約25〜35秒 | 約40〜60秒 |
| 20階 | 約30〜45秒 | 約50〜70秒 |
この表はあくまで「だいたいこれくらいに感じる人が多い」というレベルの目安です。実際の時間は、階の高さ、エレベーターの速度、途中で止まる回数などで変わります。
また、途中で止まる回数が増えると、乗っている時間だけでなく、ドアの開閉や乗り降りの時間も積み重なります。そのため、5階ごとにこまめに人が乗り降りするような状況では、「距離のわりにずいぶん時間がかかった」と感じやすくなります。
「今日は混んでいて、何回も途中で止まったから時間がかかったのだろう」と考えられるようになると、同じ時間でも気持ちの受け止め方が変わってきます。
より短い距離の感覚をつかみたいときは、5メートルってどれくらい？運転や災害のときに役立つ距離の感覚を身につけよう も参考になります。
10階までエレベーターで行くとき、何秒くらいを目安にすればよいですか？
途中でほとんど止まらない場合なら、10階までの乗っている時間は、およそ15〜25秒くらいと感じる人が多いです。混んでいて何回か途中で止まるときは、30〜45秒くらいになることもあります。建物によって差があるため、何回か乗ってみて、自分なりの感覚をつかんでおくと安心です。
エレベーター待ちがイライラしやすい理由と、気持ちを軽くするコツ
同じ30秒でも、「あっという間」と感じるときと、「ずいぶん長かった」と感じるときがあります。エレベーターの待ち時間がイライラにつながりやすいのは、この「体感時間」が伸びやすい条件がそろいやすいからです。
まず、朝の出勤時間や夕方の帰宅時間など、混みやすい時間帯は、エレベーターに乗りたい人が集中します。ボタンを押してからエレベーターが来るまでの待ち時間が長くなるだけでなく、到着したエレベーターの中がすでにいっぱいで、乗れないこともあります。その場合は次を待たなければならず、体感としては非常に長く感じやすくなります。
また、先に来たエレベーターを見送ってしまうときも、ストレスを感じやすい場面です。すでにいっぱいで乗れなかったり、「もう少し空いている便に乗りたい」と無意識に考えたりして、あえて1台見送ることがあります。そのとき、「さっき乗っておけばよかった」と後悔すると、時間の長さが強く印象に残ってしまいます。
さらに、エレベーターの待ち時間は、やることが少ないのもポイントです。何か作業をしているときの30秒は短く感じますが、ただ立って待っているだけだと、とても長く感じてしまいます。とくに、急いでいるときや、時間に追われているときは、その差が大きくなります。
気持ちを少し軽くするには、「待っているあいだの過ごし方」を工夫するのが一つの方法です。たとえば、階数表示のランプを見て、「今どのあたりを動いているのか」を確認すると、あとどれくらいで来そうかがなんとなくわかり、気持ちが少し落ち着きます。深呼吸をして姿勢を整えるなど、短時間でできるリラックス方法を取り入れるのも良いでしょう。
また、「この時間帯は混みやすいので、少し余裕を持って出よう」と、あらかじめスケジュールにエレベーター待ちの時間を含めておくのも有効です。事前に想定しているだけで、「予定より大きく遅れてしまった」という焦りを減らせます。
エレベーター待ちでイライラしないために、どんな工夫ができますか？
スマートフォンを取り出して短いメモを見直したり、その日の予定を頭の中で整理したりするなど、「待っている時間にできる小さな行動」を用意しておくと、体感時間が短く感じられます。また、混みやすい時間帯をあらかじめ把握し、その時間は少し早めに出ておくことで、心の余裕を持ちやすくなります。
高層マンションやオフィスでふだん使う「エレベーター時間」のイメージ
高層マンションや高層オフィスでは、「1回のエレベーター利用にかかる時間」が少し長くなるだけでなく、それが1日の中で何度も積み重なります。階数が高いほど景色はよくなりますが、同時に、待ち時間と乗っている時間の合計も、すこしずつ増えていきます。
たとえば、20階に住んでいる人が、1日に何度も外出するとします。朝の出勤、昼の買い物、夕方の帰宅など、エレベーターを使うタイミングは意外と多くなりがちです。そのたびに、エレベーターを待ち、中に乗って上下する時間が発生します。
ここでは、シンプルな例として、「待ち時間」と「乗っている時間」を合計したおおよその時間を、階数別と回数別にざっくりイメージしてみます。
| 住んでいる階数のイメージ | 1日の利用回数の例 | 1回あたりの合計時間の目安 | 1日の合計時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 5階前後 | 4回（外出2往復など） | 約30〜50秒 | 約2〜3分 |
| 10階前後 | 4回 | 約40〜60秒 | 約3〜4分 |
| 20階前後 | 4回 | 約60〜90秒 | 約4〜6分 |
ここでの数字は、待ち時間と乗っている時間を合わせたもののイメージです。実際には、混み具合や建物の構造によって、大きく変わることがあります。ただ、「高い階に住むと、1日トータルでは数分単位でエレベーター時間が増えやすい」という感覚だけでも持っておくと、部屋選びのときに役立ちます。
一方で、災害時や点検時など、エレベーターが止まってしまったときの移動が大変になる可能性もあります。普段のエレベーター時間だけでなく、もしものときにどのように動くかも、あわせて考えておくと安心です。
高層階のメリットとしては、景色の良さや外の音が届きにくいことなどがよく挙げられます。一方で、災害時や点検時など、エレベーターが止まってしまったときの移動が大変になる可能性もあります。普段のエレベーター時間だけでなく、もしものときにどのように動くかも、あわせて考えておくと安心です。
階数からビルのおおよその高さを知りたい場合は、階数で考えるビルの高さの目安表のような情報もあわせて読むと、今いる高さや見える景色のイメージがつかみやすくなります。
ただ、「高い階に住むと、1日トータルでは数分単位でエレベーター時間が増えやすい」という感覚だけでも持っておくと、部屋選びのときに役立ちます。
ビルの高さや景色のイメージをさらに広げたい場合は、20メートルってどのくらい？身近なものを使って高さや長さをわかりやすくイメージ！をあわせて読むと理解しやすくなります。
高層階に住むと、1日でどのくらいエレベーターに時間を使うことになりますか？
生活スタイルや混み具合によって変わりますが、20階前後に住んでいて、1日に4回ほどエレベーターを使う場合、待ち時間と乗っている時間を合わせて、合計で数分ていどになることが多いです。外出や来客が多い日には、もう少し長くなる可能性もあります。
引っ越しや部屋選びで「エレベーター時間」をチェックするポイント
これから新しく部屋やオフィスを探すときは、間取りや家賃だけでなく、エレベーターの使いやすさもチェックしておくと、あとで後悔しにくくなります。ここでは、内見や見学のときに見ておきたいポイントをまとめます。
まず、エレベーターの台数と大きさを確認しましょう。大きなマンションやオフィスビルなのにエレベーターが少ない場合、朝や夕方の混みやすい時間帯に、待ち時間が長くなりがちです。台数が多いほど来る頻度も上がりやすくなりますが、実際に動いている台数がどうなっているかも気にしてみるとよいでしょう。
次に、どの階に止まるタイプなのかも大切です。すべての階に止まるエレベーターだけなのか、特定の階だけを結ぶもの（シャトルタイプ）があるのかなど、建物によって仕組みが違います。途中で乗り換えが必要な構造の場合は、そのぶん時間がかかることもあります。
内見の時間に余裕があれば、実際に住む予定の階から1階まで、あるいはその逆方向に、一度エレベーターに乗ってみるのがおすすめです。できれば、朝や夕方など、比較的混みそうな時間帯にも一度利用してみると、普段の感覚に近い状態を知ることができます。
また、自分や家族の生活リズムとの相性も考えてみましょう。毎朝決まった時間に出勤する人が多い建物では、その時間帯のエレベーターが込み合います。小さな子どもがいる家庭では、ベビーカーを使うこともあり、エレベーターの大きさや乗りやすさがより重要になります。
最後に、「自分は何階くらいまでなら、待ち時間や乗っている時間があまり気にならないか」をざっくりイメージしてみることも大切です。少し高めの階を選ぶと景色は良くなりますが、そのぶんエレベーター時間も少し増えます。逆に、低い階にするとエレベーターに乗る時間は短くなりますが、道路の音が聞こえやすくなるなど、別の面での影響もあります。
内見のとき、エレベーターについて最低限チェックしておきたい点は何ですか？
エレベーターの台数と大きさ、止まる階のルール、そして混みやすい時間帯の様子の三つは、最低限チェックしておきたいポイントです。可能であれば、実際に自分が住むかもしれない階から1階まで乗ってみて、待ち時間と乗っている時間の感覚をつかんでおくと安心です。
この記事のまとめと、階数と時間に関するよくある質問
ここまで、エレベーターの時間について、「待ち時間」と「乗っている時間」に分けて見てきました。あらためて、記事のポイントを整理します。
まず、エレベーターの時間は、速度だけで決まるわけではありません。ドアの開け閉めの長さや、途中階で止まる回数、混み具合など、さまざまな要素が重なって決まります。そのため、「同じ階数なのに、建物によって時間が違う」と感じるのは自然なことです。
次に、1階あたりの乗っている時間は、おおよそ1〜2秒くらいと考えると、5階、10階、20階までの感覚もつかみやすくなります。途中で止まる回数が増えると、そのぶんドアの開閉や乗り降りの時間が積み重なり、合計の時間が伸びやすくなります。
また、高層マンションやオフィスでは、1回あたりの時間だけでなく、1日の中で何度もエレベーターを使うことによる「トータルの時間」に目を向けることが大切です。階数が高くなるほど景色は良くなりますが、エレベーター時間もじわじわと増えていきます。
引っ越しや部屋選びのときには、エレベーターの台数、止まる階のルール、混みやすい時間帯の様子などもあわせてチェックし、自分の生活リズムと合っているかを考えると、暮らしやすさのイメージがつかみやすくなります。
最後に、エレベーター時間は、建物や状況によって大きく変わるものです。正確な秒数を気にしすぎるよりも、「このくらいならよくある範囲」「今日は少し混んでいるから時間がかかっている」といった、ゆるい目安としてとらえておくほうが、気持ちをラクに保ちやすくなります。
エレベーター時間を「何秒きっちり」と考えすぎないほうがよいのはなぜですか？
エレベーターの時間は、混み具合や途中で止まる回数など、そのときどきの状況で大きく変わります。毎回ぴったり同じ時間になるわけではないので、「いつも何秒でないとおかしい」と考えてしまうと、少しの差でもストレスを感じやすくなります。目安としての幅を持たせてとらえるほうが、気持ちが落ち着きやすくなります。
階段とエレベーターで迷ったとき、どう考えればよいですか？
少ない階数であれば、階段を使ったほうが早く着ける場合もあります。一方で、荷物が多いときや体調がすぐれないときは、無理をせずエレベーターを使ったほうが安全です。自分の体力やそのときの状況に合わせて、「今日は階段を使う」「今日はエレベーターにする」と柔軟に決めるのがおすすめです。
