1ヘクタールって何?ニュースでよく聞く広さをかんたんに説明
ニュースや天気予報で、「山林の○ヘクタールが焼失しました」「○ヘクタールが浸水しました」という言い方をよく聞きます。けれども、ふだんの生活ではヘクタールという言葉をあまり使わないので、どれくらいの広さなのかイメージしにくい人も多いと思います。
ヘクタールは、土地の広さなどを表すときに使われる面積の単位です。書くときは「ヘクタール」や「ha(エイチエー)」と表します。数字だけ聞くとむずかしく感じますが、じつは基本の考え方はとてもシンプルです。
1ヘクタールは、平方メートルで書くと1万平方メートルです。もっと身近な言い方をすると、「たて100メートル × よこ100メートルの正方形の広さ」が1ヘクタールだと考えると分かりやすくなります。100メートルという長さは、学校の運動会などで見る直線コースをイメージするとよいでしょう。
ヘクタールという単位は、農地や森林、広い公園など、比較的大きな土地をまとめて話したいときに使われます。ニュースで山火事や洪水の規模を伝えるときにヘクタールがよく出てくるのは、そのためです。「とても広い場所をざっくりまとめて表す言い方」と思っておけば十分です。
この記事では、ヘクタールの専門的な計算や、不動産の契約・投資のような話には入りません。あくまで、「1ヘクタールって、だいたいどのくらいの広さなのか」を日常の景色に置きかえてイメージできるようになることを目標にしています。
1ヘクタールは何平方メートルですか?
1ヘクタールは、1万平方メートルです。たて100メートル、よこ100メートルの正方形の広さだと考えるとイメージしやすくなります。
サッカー場で考えると1ヘクタールはどのくらい?
1ヘクタールの広さをイメージしやすくするために、まずはサッカー場に置きかえて考えてみましょう。テレビやスポーツニュースで、芝生のグラウンドいっぱいに選手が広がっている様子を見たことがある人も多いはずです。
フルサイズのサッカー場は、国際試合向けの目安として、おおよそ「たて100メートル前後 × よこ60〜70メートルくらい」の大きさがあります。細かい数字はルールや会場によって少しずつちがいますが、「長い辺が100メートルくらい、短い辺がその6〜7割くらい」と考えるとよいでしょう。
1ヘクタールは100メートル × 100メートルの正方形です。サッカー場1面ぶんの広さは、これより少し細長い長方形になりますが、面積としてはだいたい1ヘクタール前後と考えられます。スタジアムによっては1面で1ヘクタールより少し広いこともあれば、少しせまいこともあります。
そのため、「1ヘクタールってどのくらい?」と聞かれたら、「サッカー場1面くらいの広さだよ」と答えると、多くの人にイメージが伝わりやすくなります。サッカーにくわしくない人でも、「テレビで見るあのグラウンド一面くらい」と説明すれば、なんとなくの広さは共有できるでしょう。
ただし、実際のサッカー場の大きさは会場によって違います。「きっちりサッカー場何面分」と計算したいときは、そのグラウンドの実際の長さと幅を調べて面積を計算する必要があります。ここではあくまで、ざっくりした感覚をつかむためのたとえとして覚えておきましょう。
1ヘクタールはサッカー場で言うと何面分くらいですか?
フルサイズのサッカー場1面は、おおよそ1ヘクタール前後の広さです。そのため、「1ヘクタール=サッカー場1面ぶんくらい」とイメージしておくと分かりやすくなります。
学校の校庭やグラウンドでイメージする1ヘクタール
サッカー場のイメージだけではまだピンとこない人は、学校の校庭やグラウンドを思い出してみましょう。小学校や中学校の校庭は、広さに差はありますが、「子どもが走り回るにはじゅうぶん広い場所」という感覚が共通していると思います。
大きめの校庭やグラウンドだと、トラック1周が200メートル前後になっていることがあります。このようなグラウンド全体の面積は、おおまかに見ると1ヘクタール前後、もしくはそれより少し広い場合が多いと言われます。もちろん、学校の場所や設計によってかなりちがうので、「だいたいこれくらいかな」という目安として考えてください。
運動会でテントや観覧席を並べたり、競技のコースをいくつも作ったりすると、校庭の広さをあらためて実感する人も多いでしょう。あの「一面にいろいろな種目が並んでいる景色」が、おおまかに1ヘクタール前後の広さだとイメージすると、ヘクタールという単位が少し身近に感じられます。
子どもに説明するときは、「学校の校庭1枚ぶんくらいの広さが1ヘクタールだよ」と伝えると分かりやすいかもしれません。もし通っている学校の面積が公開されていれば、実際の数字をいっしょに見てみるのもよいでしょう。
小学校の校庭を例にした説明は、子どもにも大人にもイメージを共有しやすい方法です。
小学校の校庭は、だいたい何ヘクタールくらいですか?
小学校の校庭の広さは、地域や学校ごとに大きくちがいますが、大きめの校庭だと1ヘクタール前後、少しせまい学校だと1ヘクタールより小さい場合もあります。あくまで「目安」として、「広めの校庭1枚ぶんくらい=1ヘクタール前後」とイメージしておくとよいでしょう。
公園・田んぼ・畑におきかえた1ヘクタールの広さ
次に、ふだんの生活のなかで見かける公園や田んぼ、畑に置きかえて1ヘクタールを考えてみましょう。通勤通学の途中や散歩のときに目に入る風景に当てはめると、広さの感覚がさらに具体的になります。
まず、公園です。住宅街のなかにある小さな公園は、すべり台やブランコ、砂場が少しある程度の広さが多く、1ヘクタールよりずっとせまいことがほとんどです。そのため、「小さな公園をいくつか合わせると、1ヘクタールくらいになりそうだな」と考えるとイメージしやすくなります。
一方で、広いグラウンドや池、遊歩道などがある大きめの公園だと、全体で1ヘクタールをこえる広さになっていることがあります。園内マップや案内板に面積が書いてあることもあるので、見つけたらチェックしてみるとおもしろいでしょう。
田んぼや畑も、1ヘクタールのイメージ作りに役立ちます。田んぼ1枚の広さは地域や土地の形によってさまざまですが、細長い田んぼが何枚も並んで1ヘクタールになる場合もあれば、広い一枚の田んぼだけで1ヘクタール近い広さになることもあります。
農地の広さは、作物の種類やその地域の土地利用の歴史によって変わるため、「田んぼ○枚で必ず1ヘクタール」と言い切ることはできません。ただ、「田んぼや畑がいくつも集まって、小さな公園よりずっと広く感じるくらいの広さ」が1ヘクタール前後だとイメージしておくと、ニュースでヘクタールという言葉が出たときにも想像しやすくなります。
1ヘクタールの田んぼは、どれくらいの広さに見えますか?
1ヘクタールの田んぼは、たてとよこの長さにもよりますが、「見渡したときに、かなり広い一面の田んぼが広がっている」と感じるくらいの広さです。細長い田んぼがいくつかまとまって1ヘクタールになる場合もあれば、1枚で1ヘクタール前後の広さになることもあります。
1ヘクタールと平方メートル・坪・畳のちがいをざっくり整理
ここまで、身近な場所に置きかえて1ヘクタールの広さをイメージしてきました。この章では、面積の単位どうしの関係をざっくり整理しておきます。数字が得意でなくても読めるよう、あくまで「おおよその関係」として理解してみてください。
1ヘクタールは、平方メートルで表すと1万平方メートルです。1平方メートルは、1メートル四方の正方形の広さなので、これが1万個集まると1ヘクタールになる、というイメージです。
日本では、土地や部屋の広さを話すときに「坪」や「畳」という言い方もよく使われます。坪は、もともと日本で使われてきた面積の単位で、1坪は約3.3平方メートルとされています。畳は、部屋に敷く畳1枚ぶんの広さをもとにした単位で、地域や畳の種類によって少し差がありますが、ここではおおよそ1.6平方メートル前後と考えておきます。
これらの関係を、ざっくりした目安として表にすると、次のようになります。
| 単位 | おおよその広さのイメージ | 1ヘクタールとの関係の目安 |
|---|---|---|
| 1平方メートル | 1メートル四方の正方形 | 1ヘクタール=1万平方メートル |
| 1坪 | 約3.3平方メートル | 1ヘクタール≒約3000坪ちょっと |
| 1畳 | 約1.6平方メートル | 1ヘクタール≒約6000畳くらい |
| 1平方キロメートル | 1000メートル四方の正方形 | 1平方キロメートル=100ヘクタール |
「ちょうどぴったりこの数値」というより、「だいたいこのくらいの関係なんだな」と分かれば十分です。実際の契約や正確な計算が必要なときは、専門のサイトや公的な資料で、最新の換算方法を確認するようにしましょう。
数字が苦手な場合は、すべてを覚えようとせず、「1ヘクタール=1万平方メートル」「1平方キロメートル=100ヘクタール」という2つだけをおさえておくのもおすすめです。あとは、坪や畳の数字は、必要になったときにその都度調べれば問題ありません。
1ヘクタールは何坪くらいですか?
1ヘクタールは、坪に直すとおおよそ3000坪ちょっとの広さになります。ここでは、「1ヘクタール≒約3000坪くらい」と、ざっくりした目安として覚えておくとよいでしょう。
1ヘクタールをすぐ思い浮かべるためのコツと注意点
1ヘクタールという単位に少しなじんできたら、ニュースや会話のなかで聞いたときに、すぐに頭の中でイメージできるようにしておきましょう。この章では、そのための簡単なコツと注意点を紹介します。
まずは、「100メートル×100メートルの正方形」を頭の中に描く練習をしてみてください。100メートルという長さは、陸上競技の直線コースや、大きめの校庭の一辺などで見かけることが多い長さです。その直線を、頭の中で縦と横に組み合わせて正方形にするイメージを持てれば、それが1ヘクタールです。
次に、自分の身の回りにある広い場所を1つえらび、それを基準に考える方法もおすすめです。たとえば、「近所の大きな公園の広場」や「母校の校庭」「よく行く運動場」など、自分にとってなじみのある場所を思い浮かべて、「ここはだいたい1ヘクタールくらいかな」と決めてしまいます。そこを頭の中の定規として使うと、別のニュースを聞いたときに、「あの公園がいくつ分くらいだろう」とすぐに考えられるようになります。
広さだけでなく長さのイメージも知りたい場合は、20メートルを身近なものに置きかえて説明した記事も参考になります。
ニュースで「○ヘクタールが焼失」「○ヘクタールが浸水」といった情報を耳にしたときは、次のような順番で考えてみると落ち着いてイメージしやすくなります。
1. まず、数字だけを聞いて「大きい」「小さい」と判断しない
2. 「1ヘクタール=サッカー場1面くらい」と置きかえて、何面分くらいかを考える
3. 自分の身近な公園や校庭に当てはめて、「あの広場がいくつ分くらいだろう」と想像する
このように段階を踏んで考えると、「○ヘクタール」という言葉の重さが、少しずつ体感として分かってくるはずです。
ただし、ここまで紹介してきたのは、あくまでイメージをつかむための目安です。実際に土地の広さを知りたいときや、正確な数字が必要な場面では、地図や公的な資料、専門のサイトなどを使って、正式な面積を確認することが大切です。
1ヘクタールを子どもに分かりやすく説明するには、どう伝えたらいいですか?
子どもに説明するときは、「1ヘクタール=サッカー場1面ぶんくらいの広さ」や「学校の校庭1枚ぶんくらいの広さ」といった、子どもが実際に見たことのある場所に置きかえて伝えると分かりやすくなります。あわせて、「たて100メートル、よこ100メートルの四角い場所だよ」と、長さのイメージもそっとそえてあげるとよいでしょう。
1ヘクタールのポイントまとめと、よくある質問Q&A
さいごに、ここまでの内容をまとめておきます。まず、1ヘクタールは面積の単位で、「1ヘクタール=1万平方メートル=100メートル×100メートルの正方形」という関係があります。ニュースや天気予報では、山林や農地、公園など、広い場所の大きさを伝えるときによく使われます。
身近な場所に置きかえると、1ヘクタールは「フルサイズのサッカー場1面くらい」「大きめの学校の校庭1枚ぶんくらい」とイメージすると分かりやすくなります。小さな公園いくつ分か、田んぼや畑がいくつか集まった広さを想像すると、さらに実感がわいてくるでしょう。
面積の単位どうしの関係としては、「1平方キロメートル=100ヘクタール」というつながりもおさえておくと便利です。ニュースで「○平方キロメートルの範囲が…」と聞いたときに、「ヘクタールに直すとこのくらいかな」と考えやすくなります。
ここからは、1ヘクタールに関するよくある質問に、短く答えていきます。
1ヘクタールは東京ドーム何個分くらいですか?
東京ドームの広さは、グラウンドだけでなく観客席などもふくめるかどうかでとらえ方が変わります。おおまかな目安として、東京ドーム1個ぶんは数ヘクタール程度とされることが多く、逆に言うと、1ヘクタールは東京ドームの一部にあたる広さ、とイメージできます。「東京ドームの中に、1ヘクタールの広さがいくつか入る」と考えるとよいでしょう。
1ヘクタールと1平方キロメートルの関係はどうなっていますか?
1平方キロメートルは、1000メートル×1000メートルの正方形の広さです。面積にすると100万平方メートルになります。1ヘクタールは1万平方メートルなので、100ヘクタールで1平方キロメートルという関係になります。
1ヘクタールより小さい広さは、どんな単位で表しますか?
1ヘクタールより小さい広さを表すときは、平方メートル(㎡)でそのまま書いたり、坪や畳など、より身近な単位に直して表したりすることがよくあります。家や部屋の広さであれば「畳」や「坪」、学校の教室や小さな庭であれば「平方メートル」で表すことが多い、というように、場面に合わせて使い分けられています。
