ハリケーンと台風はどちらが強い?違いや特徴を徹底解説
ハリケーンと台風、どちらが強いのか気になったことはありませんか。実は両方とも「熱帯低気圧」ですが、発生する海域や強さの基準、呼び名、そして回転の向きまで多くの違いがあります。
この記事では、数値データをもとに台風とハリケーンの強さを比較し、被害事例やサイクロンなど他の熱帯低気圧との違いも分かりやすく解説します。基礎知識から知っておくと役立つ豆知識まで紹介するので、防災にもきっと役立つでしょう。
①ハリケーンと台風の強さを数値で比較
台風もハリケーンも同じ熱帯低気圧ですが、その強さを示す基準や計測方法には違いがあります。台風は「10分間の平均風速」で判定されるのに対し、ハリケーンは「1分間の平均風速」で測定されるため、数値上はハリケーンの方が高く出やすい傾向があります。
発生場所 北西太平洋・南シナ海 北大西洋・カリブ海・メキシコ湾・北東太平洋
認定基準(最大風速) 17.2m/s以上 33m/s以上
平均風速の計測方法 10分間平均 1分間平均
日本で「猛烈な台風」と呼ばれる規模は、アメリカ基準では最強のカテゴリー5に匹敵します。基準上ではハリケーンの方が強い状態として扱われやすいですが、どちらも最大級の自然災害であることに変わりはありません。
強い台風(64〜85ノット) カテゴリー2〜3
非常に強い台風(85〜105ノット) カテゴリー3〜4
猛烈な台風(105ノット以上) カテゴリー5
②被害事例から見る台風とハリケーン
数値だけではなく、実際の被害規模も比較してみましょう。
台風15号(2019) 57.5m/s 停電約93万戸、鉄塔倒壊
台風21号(2018) 58.1m/s 停電約168万戸、関西空港冠水
ハリケーン・カトリーナ(2005) 約67m/s ルイジアナ州中心部浸水、被害甚大
ハリケーン・イダリア(2023) 約60m/s 停電40万件以上、建物・インフラ損壊
日本の台風もアメリカのハリケーンも、最強クラスに達すると甚大な被害をもたらします。どちらが強いかよりも、警報が出た時にどう行動するかが命を守る上で重要です。
③サイクロンと回転方向の違い
熱帯低気圧は発生する地域によって呼び名が変わります。インド洋や南太平洋で発生するものは「サイクロン」と呼ばれます。名称が違っても本質的には同じ現象です。
また、回転方向は地球の自転による「コリオリの力」で決まり、北半球では反時計回り、南半球では時計回りになります。台風やハリケーンの違いを知る上で、ちょっとした豆知識として覚えておくと役立ちます。
ハリケーンと台風の違いをさらに詳しく
①発生場所と呼び名の違い
台風 北西太平洋・南シナ海
ハリケーン 北大西洋・カリブ海・メキシコ湾・北東太平洋
サイクロン インド洋・南太平洋・オーストラリア近海
同じ現象でも、日本付近では「台風」、アメリカ周辺では「ハリケーン」、インド洋や南太平洋では「サイクロン」と呼ばれます。
②基準と強さの階級の違い
台風は最大風速17.2m/s以上で認定され、「強い」「非常に強い」「猛烈な」の3段階に分類されます。一方、ハリケーンは最大風速33m/s以上で認定され、カテゴリー1〜5の段階に分けられます。基準の違いにより、同じ強さでも呼び方が異なることがあります。
③回転方向の特徴
北半球 反時計回り
南半球 時計回り
台風は北半球にしか発生しないためすべて反時計回りですが、ハリケーンやサイクロンは南半球でも発生するため、時計回りになる場合もあります。
サイクロン・ハリケーン・台風の世界的な分類
①定義
熱帯低気圧は、暖かい海で生じる渦巻き状の現象で、最大風速が一定以上になると「台風」「ハリケーン」「サイクロン」と呼び名が変わります。
②地域ごとの基準
北西太平洋 台風 17.2m/s以上、10分間平均風速
北大西洋・北東太平洋 ハリケーン 33m/s以上、1分間平均風速
インド洋・南太平洋 サイクロン 17m/s以上(地域差あり)
③近年の傾向
地球温暖化の影響により、より強い熱帯低気圧が発生しやすくなっているといわれています。日本でも「猛烈な台風」が増え、アメリカではカテゴリー4や5のハリケーンが増加しています。今後も最新の情報を確認し、備えることが重要です。
まとめ:ハリケーンと台風はどちらも要警戒
台風とハリケーンは同じ熱帯低気圧ですが、発生地域や基準の違いで呼び方が変わります。基準上はハリケーンが強いとされやすいものの、日本の猛烈な台風も同等の威力を持っています。
名前や基準の違いよりも大切なのは、防災意識と備えです。常に最新の気象情報を確認し、早めに行動することが命を守る最善の方法です。